筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

ということで『星新一 空想工房へようこそ』を買ってきました。まり花のコースター裏に書かれた多くのサインの中には手塚治虫さんによる「ホシヅル」も。そういえば(他のSF作家諸氏とともに)筒井さんが描かれた「ホシヅル」寄せ描き色紙は「ホシヅルの日」パンフレットに掲載されてましたね。
巻末に置かれた詳細な「星新一年譜」には「文壇/SF文芸界のできごと」も項目に。筒井さん関連では「1960年6月 筒井康隆らが関西でヌル創刊」から「1996年12月 筒井康隆、断筆解除」までが記されています(「1977年(7月のあと)この頃、筒井康隆の文庫、角川で250万部突破」という記述もありました)。
注目すべきは(代表的な)ショートショートの初出誌名が書かれていること。PR誌の誌名が具体的に書かれていないのが難ですが、このあたりを手がかりに筒井さん関連で何か出てこないものかと思ったりもしています。

また新井素子選による『ほしのはじまり 決定版 星新一ショートショート』(角川書店)も11月30日発売。「ボッコちゃん」から「殿さまの日」まで新井氏が魂を込めて選んだ54篇と新井氏自身によるエッセイ、「Nippon2007」での最相葉月新井素子森下一仁三氏による鼎談「『文学』より大きいひと」も再録されています。楽しみにしていた単行本未収録エッセイはなんと新潮社「星新一の作品集」月報に寄せられた「星くずのかご」全18篇でした。うーん、そうきたか。既にその月報で読んだものなのでちょっと残念でしたが、読んでみると学生のころとは違った発見があったりしました。例えば第1巻月報の「そのころ」と題された一文で星さんは(昭和32年 まだデビューしていなかった頃)行きつけのバーに高見順氏がよく来ていて、小さなバーなのでいつしか話し合うようになり、星さんは高見氏に「空飛ぶ円盤」の話ばかりしていたと書いています。その年の6月に星さんは「セキストラ」を<宇宙塵>2号に発表、実質的なデビューとなるのですが、国会図書館にもないその記念すべき<宇宙塵>第2号、都内では日本近代文学館で読むことが出来ます。実はその<宇宙塵>2号を日本近代文学館に寄贈したのが誰あろう高見順氏なのでした。