筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

 <週刊文春>についてはデンデラ連さんに教えていただきました。ありがとうございます。
 <週刊読書人>「星新一ー人気はなおゆるぎなく」はもちろん世田谷文学館で開催中の「星新一展」記念イベントとして4/30に行われた座談会。筒井さんが書かれた『ボッコちゃん』解説についての部分を抜粋させていただきます(「石川さん」というのは『生命のふしぎ』や『人造美人』を担当された、当時新潮社出版部次長だった故・石川光男氏のこと)。

最相 『ボッコちゃん』は、星さんのショートショートの文庫化第一冊目だったわけですよね。他社ではなく、新潮文庫が最初でした。そして、筒井康隆さんが、作品を深く理解し、文壇に対して挑戦的な、素晴らしい解説を書いておられるのですが、解説はなぜ筒井さんになったのですか。

加藤 あの頃SFと言えば、筒井さん、小松さんでしたが、小松さんは長編の作家ですので、筒井さんしかありえないということで。それから、星先生は筒井さんの作品を絶賛なさっていて、石川さんにも筒井さんを紹介されていました。だから星先生としてはどうしても筒井さんに書いてもらいたかったのだと思います。筒井さんもご自分が書くもんだ、と思われていたと思います。」

『ボッコちゃん』解説といえば、いつも私が思い出すのが『SF教室』で筒井さんが書かれた、星さんについての次の一節です。

「卒業してから、星製薬の重役になった。だが、この会社は、悪い政府の役人のため、つぶされかけていた。星さんは、とてもつらい目にあったそうだ。

 でも、この人の書くショート・ショートは、とてもそんな目にあった人が書いたものとは思えない、浮世ばなれのした、奇想天外なものばかりである。あれよあれよというまに、読んでしまう。だが、何度もくりかえして読んでいるうちに、作品の底にある、人生のほろ苦さ、かなしさのようなものが、だんだんわかってくるのだ。

この意味がぼんやりながらわかるようになったと思えたのは、私が『SF教室』を初めて読んでから五年以上経っていたような気がします。