『筒井康隆展トーク&オークションイベント「わたしの筒井康隆」1』(その2)
- 2018.11.3 18:00〜 世田谷文学館1Fホール
トークを終えられた菊地さんは今度は観客としてそのまま客席へ。短いセッティング休憩をはさんで、「奔馬菌」の朗読が始まりました。
この「奔馬菌」、東京国際ブックフェアに続いて聞くのは二度目。戦争爺さんが起きてからは筒井さんも立ち上がられての熱演。苦く楽しい時間でした。ありがとうございました。
そして10分休憩の後、19:40よりいよいよオークション。
文学館のかたより、オークションは事前に配布された出品リスト順、入札する人は番号が見えるよう応札を高く上げてください等の案内があったのち、「なおこのオークションは録音・録画・撮影全て自由です」とのアナウンスに会場騒然のなか、前代未聞のオークションが開幕♪
出品物はスクリーンに、ハンマープライスを手にした筒井さんが進行。
ここからはLotナンバー順に紹介します(落札金額は中途まで。間違ってるかも知れません…。すみません)
- 『ヒューマノイド』J・ウィリアムスン(ハヤカワSFシリーズ)
筒井さんより「面白くて食事中も読んでいたら味噌汁をこぼした。なので頁に染みがあります」と。会場大爆笑、五十年以上前の味噌汁…。「欲しい」と思いました。
開始価格は100円。一斉に札と声があがります。
筒井さんは値段を聞いて「500円? 高すぎる。100円」と即決。騒然とする会場。
- 『時の歩廊』ポール・アンダースン(ハヤカワSFシリーズ)
「これも面白かった。味噌汁をこぼした」、会場爆笑。そして「500円? 高すぎる。200円」とまたも即決。だんだんと会場も「これは思っていたオークションとは違うぞ」とざわめきます。
「最初の写真頁に切り抜きがある。おそらく「面白半分」連載の「てぃーゔい・じーびぃ」で使用した」 これもほぼ即決。600円。
- 『発狂した宇宙』フレドリック・ブラウン(ハヤカワSFシリーズ)
「同じブラウンの作品でも星さんは『火星人ゴーホーム』が好きで私はこの『発狂した宇宙』が好き」「味噌汁の染みはないので…」としばらく応札が続き1200円にて決定。それでもある程度の金額になると筒井さんのほうで「これくらいで」と。
「カザコーワ「実験」も収録。ソコローワの「怪獣17P」は原題「旅に出るときほほえみを」で『旅のラゴス』のアイデアのひとつとなっている」「古書価が高いので」と5000円開始。
「ソビエトSFアンソロジー。古書店でもあまり出ないので…」と開始価格は2万円。
ここからは会場展示品含む、筒井さん関連商品が続きます。
どれも大判のポスターで貴重なものばかりでしたが、早めに決まっていきました。
- アニメ「パプリカ」フィギュア
パプリカが手にしているDCミニが小さくて落ちやすいので注意と。
そして書店販売促進用のポップも。
- 『現代語裏辞典』ポップ
- 『ビアンカ・オーバースタディ』ポップ(「ファウスト」)
- 『巨船ベラス・レトラス』ポップ
さらには「断筆祭」グッズも
さらに今回オークションの目玉となる一点もの2アイテム。
- 「断筆人形」
「宝島30」表紙に使用された。あとで自分のサングラスをかけ直している。これも開始価格からわずかで決定。
- 絵画「原宿駅付近」
筒井さん唯一の油絵。開始価格は3万円。菊地さんも応札されたようでしたが、これも一瞬で決定。
最後は数量が多めなのでと開始価格500円。応札する札がいっぱい。値段があがっていくに従い入札者が減っていくはずがなかなか減らず、かなりの価格となりました。
とにかく競り合う時間が短い、オークショニアである筒井さんから「高すぎる」とされたりする前代未聞のオークションが終了。落札は出来ませんでしたが、とても楽しいオークションでした。
菊地さんも客席から舞台へ。満場の拍手に応え、おふたりは会場をあとにされました。