- 著作
- アンソロジー
- エッセイ
- 「新潮社とのおつきあい」<波>2024.10
- 「ジャズ大賞会長賞受賞のことば」2024.11.23
- 「少し腰を据えるか」<波>2024.12
- 「自伝」第4回「笑いと超現実―青年中期」<文學界>2025.1
- 発言
- テレビ出演
- 原作本
- 映画化
- 『敵』監督/吉田大八 2025.1.17公開
- 『ビアンカ・オーバースタディ』監督/友松直之
山藤章二さんのこと
山藤章二さんのこと。
訃報を聞いてからもう二か月以上経ってしまった。何度か山藤さんについて書いてはみたもののかたちにすることができなかった。
その絵に最初に会ったのは『狂気の沙汰も金次第』。筒井さん自身による漫画『筒井順慶』での、美男子だから描けないという、目鼻口のない顔をさらに発展させ筒井さんといえば……というあの顔を作り上げた一冊だ。新潮文庫版で読んだから、全篇イラストレーションが収録されていて、毎回競演するようなそのイラストは一級品で、絵師・山藤章二の作品を書店で求めるようになるのに時間はさほどかからなかった。
「夕刊フジ」での百回連載、山口瞳『酒呑みの自己弁護』も吉行淳之介『贋食物誌』もすこぶる面白かった。中島梓『にんげん動物園』も景山民夫『食わせろ!!』も。文章と同等にわたりあえるイラストレーターの存在を初めて認識したのが山藤さんだった。
「ブラック・アングル」「世相あぶり出し」はもちろん『イラスト紳士録』や『山藤章二 戯画街道』といった大部の画集も求めるほど魅了された。
筒井さんとの仕事は本当に多く枚挙に暇がない。
『俗物図鑑』も『狂気の沙汰も金次第』同様、イラストが多く収録され、その後刊行された新潮文庫『おれに関する噂』『やつあたり文化論』『笑うな』、角川文庫『腹立半分日記』、奇想天外文庫『筒井康隆全漫画』、講談社文庫『乱調文学大辞典』等々、どれもあの表紙で読んだと思いだせるものばかりだ。
LP「筒井康隆文明」ジャケットに使用されたピラミッド、初期作品が使用された新潮カセットブック、LP『ジャズ大名サウンド図鑑』のイラストはそのまま『ザ・ウチアゲ』のポスターになった。原稿自体を大胆にアレンジした『大いなる助走』、帯を取ればあれがまろびでる『原始人』、そして『筒井康隆全集』の装幀と月報「玄笑地帯」(中でも山藤さんの今後の書き出しの言葉予想に筒井さんが呼応した回は忘れられない)。
「バブリング創世記」「カラダ記念日」「乱調人間大研究」「座右の駅」「日日不穏」「笑犬楼よりの眺望」「現代語裏辞典」……、雑誌でのイラストも数多くあった。『銀齢の果て』は登場人物の描き分けが素晴らしく、連載完結後の筒井さんとの対談も映画化された際の配役を語ったりして素敵だった。筒井さんのデザインをそのまま取り入れた『創作の極意と掟』あたりが最後だろうか。
玄い笑いにこだわった方だった。楽しい時間に感謝したい。ご冥福をお祈りします。
「笑犬楼大通り」12/31で公開終了
「笑犬楼大通り」12/31で公開終了
既にご存じの方も多いと思いますが、「笑犬楼大通り」は12/31を以て公開終了となります。「偽文士日碌」「枕詞逆引辞典」などが見られなくなりますので、今のうちに再読・三読されますよう。
「自伝」連載再開♪
「自伝」第4回「笑いと超現実ー青年中期」
- <文學界>2025.1 p166-p176
連載再開! 同志社大学入学から青猫座、乃村工藝社、フィニイの『盗まれた街』、星新一という凄い作家、「SFマガジン」創刊、「NULL」創刊、江戸川乱歩との邂逅、「ヒッチコックマガジン」の中原弓彦、SFコンテスト、小松左京・眉村卓各氏との出会い、ヌル・スタジオ、DAICON、『日本アパッチ族』、「科学朝日」、山川方夫、「意識の牙」、「サスペンス・マガジン」、「東海道戦争」、光子さんとの出逢い、『スーパージェッター』、結婚式、そして東京へ。
ボリュームアップで目眩く展開です。次回は『東海道戦争』『48億の妄想』『時をかける少女』連載……。楽しみでなりません。
ジャズ大賞 会長賞 受賞のことば
「2024年度 ジャズ大賞 会長賞 受賞のことば」
- 2024.11.23 東京・高田馬場 コットン・クラブで行われた授賞式にて、代理出席の筒井之隆氏より代読された。