筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

『筒井康隆自伝』刊行

筒井康隆自伝』

  • 初版発行/2025.10.30 文藝春秋 四六判 192頁 カバー 帯(金) 題字/筒井康隆
  • 装幀/中川真吾 表紙・帯写真/文藝春秋写真部 協力/平石滋 尾川健
  • 定価/本体1900円+税 ISBN 978-4-16-392032-0 C0095
  • 帯惹句/91歳、最後の文豪の途方もない人生 「この自伝は極力、自分が見聞きし体験したことに限っている。」 天才作家が驚異の記憶力でつづる、濃密なるライフヒストリー! 帯背=”最後の文豪”の波瀾万丈一代記 帯裏=「最初の記憶は蛇眼症の乞食を見たことである。」生まれて最初の記憶、初恋、戦時中に過ごした幼年期、映画とジャズ漬けになった少年期、演劇に夢中になった青年期、同人雑誌から作家デビューし時代の寵児となり、断筆宣言を経て現在の活躍まで、最後の文豪、“笑犬楼”こと筒井氏が自らの人生を濃密な文体で書く。
  • 収録作品/「筒井康隆自伝」章名「芽吹いて蕾―幼少年期」p7「ヰタ・セクスアリス―少年期」p34「喜劇への道―青年前期」p62「笑いと超現実ー青年中期」p79「波濤に乗ってー青年後期」p106「さらば中間小説ー中年期」p133「老体化? 老大家?」p159(文中に自筆地図=初出「ラパン」1997.7 中学時代の漫画「卒業式の日の校庭で」=初出「校報ひむがし」6号 1949.5 掲載)
  • 初出/「文學界」2024.4,5,7 2025.1-4

 『筒井康隆自伝』が待望の刊行。連載中にご自宅で転倒され入院、リハビリを経て現在の施設に入られての連載再開、そして最新の状況まで綴られた、まさに波乱に満ちた一代記です。驚異の記憶力で紡がれた幼少年期から青年前期、作家デヴュー以降、編集者や共演された役者との交流が描かれた後半まで、貴重なエピソードが満載。「NULL」以降がかなりの速度で進みますが、執筆された作品、特に『筒井康隆、自作を語る』や『漂流(読書の極意と掟)』、さらには『腹立半分日記』『日日不穏』『幾たびもDIARY』『偽文士日碌』等の日記・日碌もあるので、それぞれ補完できる筈ということかと思います。筒井さん揮毫による題字、カバーの手触り、表紙の写真も素晴らしい。電子書籍もありますが、ぜひ紙の本で!

『筒井康隆エッセイ集成』1巻刊行

筒井康隆エッセイ集成 1 SFを追って」

  • 初版発行/2025.10.25 日下三蔵/編 早川書房 上製本 四六判 504頁 カバー 帯/黒 
  • 装幀/岩郷重力+R.M 定価/本体3400円+税 ISBN 978-4-15-210468-7 C0095
  • 帯惹句/空想と実験、論理と情熱ー 『東海道戦争』から60年ーSF論、解説・書評・映画評・作家論、推薦文、選評、あとがき、アンケート回答など、昭和期のありとあらゆる文章を集成。
  • 収録作品/はじめに(日下三蔵)/SFを追って【SF論】「SFで生き抜こお!」「NULL」「ロマンチックな逃避」「ファン・クラブを大組織に発展させる方法」「諸家一言」「編集後記」「SFを追って」「未来への招待 二XYZ年だぜ!諸君」「面白さということ」「新・SFアトランダム」「おれにとって、世界は今や……」「〝日本人にSFが書けるか!〟に発奮」「新年・サル・宇宙」「軽薄のすすめ」「BEM・私論」「SFとモダン・ジャズ」「核開発と最終戦争」「いいSFができたら……」「すべての面で教師」「SFのSについて」「SFのアイデアにも……」「マージャン作戦要務令 精神篇」「マージャン作戦要務令 実技篇」「非科学的SF作家の弁」「わたしのなかの性」「トンネルを出ると……」「アンタレス語訳の原点と指向」「怪談のこわさ」「星新一のサービス酒」「最後の会話」「トモさんの思い出」「高斎正さんのこと」「行くぞ」「SF蜜月時代」「あるエネルギー」「NULL復刊のことば」「「NULL」復刊のお知らせ」「SF界若手養成へ」「コークというと想い出すのが大伴昌司」「日本SF大会(日本ドライヴ・マッド20)」「SHINCON開会の辞」「SHINCONを終えて」「星新一語録」「ぼくにとってSFとは……」「SFブーム」「星CONへ」「SFは定着するか」「LETTER FROM……」◎日本SF作家クラブ会報より「梶尾・高千穂・山尾各氏新入会」「総会承認・決議・了解事項・他」「横田氏順調に回復」「長篇アニメーション大作「火の鳥」完成記念・手塚さんを励ます会」「合宿セミナー実現にご協力を」「自由国民社その後」「半村良氏の近況」「忘年会とりやめ」「自由国民社より架電」「SF関係者リスト作成に伴うお願い」「投稿お願い」(以上一号)「次回総会議題 及 進行」「合宿セミナーはしごきにあらず」「長篇アニメーション大作「火の鳥」完成記念・手塚さんを励ます会・進行予定表」「ロン先生が共通一次に登場」「原稿強引取立悪虐編集者にご注意ください」(以上二号)「会長のいちばん長い日」「総会承認・決議・了解事項・他」「次回総会は六月三日」「各社よりパーティへの寄附」「「まり花」より寄附」「横田順彌を励ます会」「田中光二氏に吉川英治文学賞」「夏期合宿セミナー石原博士講義の件」(以上三号)「夏期合宿はホテル小涌園」「竹宮恵子氏パーティ」「会員諸氏にご注意」「夏期合宿セミナー講義時間割」「嗚呼悲惨なる哉己が手で鼓膜突き破りし事務局長」「永井豪氏受賞」「石原藤夫氏教授に就任」(以上四号)「「日本SF大賞規約設定・日本SF大賞に関する覚書」大綱決定」「「横田順彌を励ます会」大盛会」「夏期合宿セミナーは中止」「総会も延期」「SF資料館構想・設計委員に石原藤夫井口健二両氏」(以上五号)「第一回日本SF大賞候補作の推薦開始」「雑誌掲載の短篇は原則として除外す」「石原藤夫氏近況」「事務局長報告」(以上六号)「第一回日本SF大賞その後の反響と評価」「川又千秋氏のパーティ開催予定は六月下旬頃」「中国旅行について」「SF資料館設立企画書成る」「星新一氏より」「最近この会報を……」(以上七号)「SHINCONの思い出」「「DAICONⅢ」挨拶文」「岡山のSFフェスティバルを」「私が選んだSF小説ファン必読10編」「いまや伝説―SF作家クラブの東海村原子力研究所見学は今にいたるも語り草」/星新一氏の新しい面【解説・書評・映画評・作家論】「残念だったこと」「情操教育のヒントに 岩崎書店版「SF世界の名作」刊行の意義」「大きすぎる”ヒキダシ”/遅れてきたSF作家」「高級なユーモア論」「SF界の貨物列車/楽しめる文芸路線」「『魚が出てきた日』について」「サービス精神・満点」「マンガの稀少価値」「核時代のSF映画(「魚が出てきた日」を見て)」「歴史小説的手法のSF/新型サラリーマン小説」「すいすい読めて味がある!」「SF評論家の処女短篇集/長篇第一作に期待する」「高い密度の娯楽作品(『メガロポリスの虎』の異様な迫力)」「軽率なブームへの警告」「星新一氏の新しい面(日本SF界一九六九年を予想して)」「来るか怪奇小説時代」「手塚治虫とマンガ映画」「「お前はただの現在にすぎない」をめぐって」「「江美子ストーリー」の幸福観」「自己破壊の衝動に駆られ(『世にも怪奇な物語』)」「星・小松・光瀬らの活躍(1969年の日本SF界を回顧して)」「まんが・劇画論」「私の発想」「CM独自の映像美追求を(70年 テレビへの提言)」「出版部K嬢へ」「曽野綾子讃」「えらそうにしてください」「喜劇的昂りのない喜劇(民芸公演「もう一人のヒト」を観て)」「中間小説マンガの興隆」「ゴダールの娯楽性」「小気味のよい結末」「ユーモアは全てブラックか」「大傑作血みどろ喜劇」「秋竜山讃」「「ツィス」広瀬正著」「信用できる革命的思想」「鮎ちゃん論」「エクストラポレーション礼讃」「会長就任の辞」「娯楽小説」「山藤章二を語る」「細部のものすごさ」「読書について」「テレビ・ドラマで気になること」「狂信と超能力ーS・キング『キャリー』」「『ムツ・ゴーロの怪事件』解説」「SF周辺映画散策」「一冊の本 星新一『明治・父・アメリカ』」「なぜか心に残るあのメロディー」「ブラック・ユーモア掌篇小説見本市」「『決戦・日本シリーズ』解説」「はじめに面白さありき」「私が幼いころに見た映画といえば……」「星新一の残酷性と人間愛」「『発狂した宇宙』解説」「『善意株式会社』解説」「福島正実氏とぼく」「ネオNULL傑作選」「手塚治虫ブラック・ジャック」」「“イラコミ”の面白さ」「ファンタスティック・ムービー・レヴュー①『K・K・K』」「この本の編者のこと」「ダリ展」「オレが隠し金だししぶったのが運のつきか? ウ~ン」「初恋と似ている中・高校時代の読書体験」「不思議にも、眼鼻のない似顔絵に……」「短篇小説について」「横光利一『機械』」「横光利一 機械(新潮カセットブック)作品解説」/優れたファンタジィ【推薦文】「ジュンについて」「万国のおっちょこちょい諸君!」「華麗なる情事ー絵空事と思わせぬ巧みさ」「『夢泥棒』推薦文」「哲学のあるカタログ」「『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』推薦文」「『花の木登り協会』を推す」「『ビックラゲーション選』推薦文」「『ピアノ弾きよじれ旅』推薦文」「優れたファンタジィ」「一挙両得、一石二鳥……」「『唐獅子株式会社』推薦文」「“スターログ”発刊に寄せて」「『プルシャンブルーの奇妙な黄昏』推薦文」「ホラーワールド創刊祝辞」「『コインロッカー・ベイビーズ』推薦文」「「歌姫魔界をゆく」推薦文」「創刊3周年記念メッセージ」「『俗物図鑑の本』推薦文」「映画「スタア」について」「『疾れ風、吼えろ嵐』推薦文」「『香港喜劇大序説』推薦文」「『コージ苑 第二版』推薦文」/注文つきです【選評】「一〇〇〇字コント選評1」「一〇〇〇字コント選評2」「一〇〇〇字コント選評3」「一〇〇〇字コント選評4」「一〇〇〇字コント選評5」「一〇〇〇字コント選評6」「一〇〇〇字コント選評7」「一〇〇〇字コント選評8」「第6回 手塚賞選後評」「第7回 手塚賞選後評」「第8回 手塚賞選後評」「第10回 手塚賞選後評」「第14回 手塚賞選後評」「SF三大コンテスト小説部門選後評」「「秋の鈴虫」を推す 第一回「問題小説」新人賞選評」「「三作品受賞を祝す 第二回「問題小説」新人賞選評」「注文つきです」 第三回「問題小説」新人賞選評」「魅力のあるモデル小説 第四回「問題小説」新人賞選評」「惜しかった河深氏 第五回「問題小説」新人賞選評」「男性の共感を呼ぶ 第六回「問題小説」新人賞選評」「第六回日本腰巻文学大賞寸評」「第七回日本腰巻文学大賞選評」「第八回日本腰巻文学大賞選評」「第二回国際SFアート大賞審査員講評」/発作的あとがき【あとがき・自作について】「『東海道戦争』あとがき」「堕地獄日記」「『48億の妄想』あとがき」「空想の自由」「『アフリカの爆弾』あとがき」「『幻想の未来・アフリカの血』あとがき」「自選傑作ベスト5」「『わが良き狼』あとがき」「『東海道戦争』[サン・コミックス]まえがき」「『霊長類南へ』あとがき」「『異形の白昼』という…」「私の処女作「お助け」」「これは、原稿料をもらっているから……」「タブー挑戦の処女編」「SF・中間小説・前衛ジャズその他及び筒井康隆の現状について」「歴史小説への関心」「私の処女作『お助け』」「発作的あとがき」「「直木賞落選の弁」を書くことについての弁」「「俗物」から「俗物図鑑」へ」「『狂気の沙汰も金次第』あとがき」「乱歩さんの速達」「エッセイはもうやめ」「前代未聞ヘタクソ大マンガ」「全力投球でいいものを書かねばならない」「『不良少年の映画史 PART1』あとがき」「神戸公演によせて」「これは私の最初にして……」「筒井康隆から書店各位へのお願い」「この度新潮社から私の全集が……」「戯曲「人間狩り」の上演を許可します。(著作権料は不要)」「現代小説の諸問題にかかわる……」「創刊25周年コメント」「初期傑作群12篇はなんとMCでの連載。」「『ネオ・ヌルの時代』おことわり」「近刊近況『玄笑地帯』」「「ジーザス・クライスト・トリックスター」の上演を許可します」「ヴィデオご恵送ありがとうございました」/わたしのベスト3【アンケート回答】「SF作家・研究家が選んだSF小説ベスト・テン」「子どもに読ませたい三冊の本」「SF作家諸氏によるアンケート集計」「復刊ブームについてのアンケート集計」「原稿料にもの申す」「カフカアメリカ」」「アンケート」「わが読書・わが仕事」「わたしの選んだ海外SFベスト・テン」「紅茶ですか? 珈琲ですか?」「INTRODUCTION & a QUESTION」「日本映画史上ベスト・テン」「日本公開 外国映画史上ベスト・テン」「サージュがアタック Q&A」「推理小説に関する381人の意見」「外国映画音楽ベスト・テン発表」「夏休み、母と子のための一冊の本」「わたしの選んだスターたち<外国映画>」「『ザ・エンターテインメント1985 ①』アンケート」「大アンケート108人が選んだ、私の好きなレコードベスト5」「家庭で幸せを感じるとき」「私の好きなミステリー・ベスト10 ミステリー映画ベスト1」「松竹映画 オールタイム ベストテン」「こんな文章は読みたくない」「わたしのベスト3ー一九八七年・文学の収穫」「筒井康隆氏へのアンケート18項」「78人が選んだ短篇小説ベスト3」「私の選んだ「角川文庫」3冊!」/筒井康隆の人生悶答【その他】「筒井康隆の人生悶答」/編者解説(日下三蔵

 『筒井康隆エッセイ集成 1 SFを追って』がついに刊行。日下三蔵さんも「編者解説」で書かれていましたが、平石滋さんはじめ多くの筒井ファンによる書誌研究が礎となってできた一冊です。その書誌を探し記録することにどれだけの時間と費用がかかっていることか(支えているのは筒井康隆さんが好きだという情熱なのです)。改めて感謝いたします。

近刊『筒井康隆エッセイ集成 1 SFを追って』目次

筒井康隆エッセイ集成 1 SFを追って』目次

  • はじめに(日下三蔵
  • SFを追って【SF論】
  • 星新一氏の新しい面【解説・書評・映画評・作家論】
  • 優れたファンタジィ【推薦文】
  • 注文つきです【選評】
  • 発作的あとがき【あとがき・自作について】
  • わたしのベスト3【アンケート回答】
  • 筒井康隆の人生悶答【その他】
  • 編者解説(日下三蔵

収録作品が多いので、まず目次のみ。

2025年8月〜9月まとめ

2025年8月〜9月まとめ

  • 小説
    • 「恐怖の配当」<群像>2025.8
    • 「チャンス」<新潮>2025.8
    • 「眞三郎の特技」<波>2025.8
    • 「似たやつ二人」<BRUTUS>No.1036 2025.8.15
    • 「防衛」<群像>2025.9
    • 「モンキー・ビジネス」<文學界>2025.9
    • 「性」<新潮>2025.9
    • 「フルーティ」<波>2025.9
  • 戯曲・シナリオ
  • 発言
    • 「恐怖を感じずに死ぬ訓練」<週刊文春>2025.8.14=21
  • TV出演
    • 桂米朝 なにわ落語青春噺」(再放送)2025.8.3(8.2深夜)01:25~02:37 NHK総合
    • 筒井康隆の世界」(再放送) 2025.9.3 15:00〜15:59 NHK BS
  • 原作Blu-ray
    • 『敵』2025.8.6発売
  • 関連書籍
    • 『別冊NHK 100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆』2025.8.30 NHK出版