『陰悩録 リビドー短篇集』
- 初版発行/2006.7.25 角川文庫 つ2−17(角川文庫14315)
- 並製本 A6版 カバー 帯(緑)
- カバーイラストレーション/水江未来 カバーデザイン/鈴木久美 363頁
- 定価:本体552円+税 ISBN 4-04-130525-X C0193
- 収録作品/「欠陥バスの突撃」「郵性省」「脱ぐ」「活性アポロイド」「弁天さま」「泣き語り性教育」「君発ちて後」「陰悩録」「睡魔の夏」「ホルモン」「奇ッ怪陋劣潜望鏡」「モダン・シュニッツラー」「オナンの末裔」「信仰性遅感症」(解説/藤田宜永)
駆三さんもおっしゃっていましたが「陰悩録」がタイトルっていうのはいいですねえ。「睡魔の夏」の初出は「マントップ」1971年1月号。とあるサイトの掲示板で言及されているのを知り、その方に直接問い合わせさせていただき、現物も確認、このたび初収録のはこびとなりました。その方の名前を挙げることはしませんが、一筒井ファンとして改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
『愛のひだりがわ』
- 初版発行/2006.8.1 新潮文庫 つ4−49(新潮文庫7998)
- 並製本 A6版 カバー 帯(水色)
- カバー装画/日置由美子 352頁
- 定価:本体552円+税 ISBN 4-10-117149-1 C0193
- 収録作品/「愛のひだりがわ」(解説/「筒井康隆のひだりがわ」村松友視)
何度読み返してもハマグリの歌のところで勝手にメロディーをつけて歌ってしまうのはどうしてなんだろうなあ。これは入院中、妻に買ってきて貰ったのですが、病室では大声で歌うこともできず往生しました。病室で読んだからかはわかりませんが、ルビが多いことに改めて気付いたりもしました。
村松氏の解説はいいですね。「海」の編集長、塙嘉彦氏のことは「知の産業−ある編集者」(私は「真実の文学」と並んでこのエッセイが大好きです)や全集最終巻の大江健三郎氏の解説はもちろん、近年では講談社文芸文庫版『袋小路の休日』(小林信彦)の坪内祐三氏の解説でも書かれています。是非、ご一読を。大学時代、古書店で求めた、塙氏の追悼特集を組んだ「海」1980年4月号は今でも時折繙きます。改めてご冥福をお祈りします。
『如菩薩団 ピカレスク短篇集』
- 初版発行/2006.8.25 角川文庫 つ2−18(角川文庫14354)
- 並製本 A6版 カバー 帯(緑)
- カバーイラストレーション/岡達也 371頁
- 定価:本体590円+税 ISBN 4-04-130523-3 C0193
- 収録作品/「コレラ」「神様と仏さま」「死にかた」「小説『私小説』」「如菩薩団」「傍観者」「ケンタウルスの殺人」「断末魔酔狂地獄」「三人娘」「ながい話」「村井長庵」「わが愛の税務署」(解説/馳星周)
恒例(?)未収録作品は毎日新聞(大阪版)夕刊1961年5月17日号初出の「傍観者」。日本筒井党機関誌「デマ」2号に再録されたことがあるので、今までの二篇と比べるとややレア度は落ちるかも?(<NULL>3号掲載の同タイトル作品は未収録のままです)