筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

東浩紀ゼロアカ道場 第5回関門」

 行ってきました、TOKYO CULTURE CULTURE。入口で貰ったのは門下生のプロフィールと投票用紙と鉛筆(講談社社名入)、そしてミネラルウォーター。開演10分前だったのですが、席はほぼ埋まっていてステージ横のカウンター席へと案内されました。事前にプレゼンテーション映像や『伝説の「文学フリマ」決戦』などを見たり読んだりして予習めいたことはしていったものの、誰に投票するかは口頭諮問が終わってから決めようと思っていたため(まあ当たり前なんですが、齋藤ミツ氏の関わった同人誌が『伝説の「文学フリマ」決戦』に再録されていないことが気になっていて)、筒井さんの席の位置の確認とか、「禁煙」と当選通知の注意書きにはあったが筒井さんの席には当然灰皿はあるんだろうなあなどと心配しているうちに開演となりました。
 会場奥より東氏に続いて筒井さん、村上氏、太田氏が登場。筒井さんは「これが今の新しい批評ですと若い人に言われると、年老いた者はそのような考え方は昔にもあったと指摘する。口頭諮問では皆さんにどう違うのかを尋ねようと思う。お覚悟を」と。
 プレゼンテーションについて個人的感想。廣田周作氏。表紙イメージの「鳥」など印象的な捉え方が好感。『パプリカ』論もちょっと読みたい気が。三ツ野陽介氏。廣田氏と同じPC(MacBook Air)を用いてのプレゼン。メモを取りながら聞いていたのだがわかりやすかったです。峰尾俊彦氏。かなり緊張されていて早口だったり、画面が説明と違っていたり、時間が余っていることを自分で後悔したり。ゼロ年代を象徴するような方だなあと個人的に思っていたので、楽しみにしていたのですが、焦りが残念でした。村上裕一氏。ゴーストという考え方がユニークでかなり期待していました。詳細な説明でこれまた好感。雑賀壱氏。プロジェクターを用いないプレゼンで、手書き文字などに親しみが持てましたが、「DOLL」という概念には少し納得できず。
 続いての筑井真奈氏のとき映像トラブルがあり、齋藤ミツ氏が先となったのですがここでもトラブル、東氏の提案で5分休憩となりました。門下生席の前を通ってトイレに行こうとしたものの人がいっぱい。あきらめての帰り際、真っ赤な服を着た藤田直哉氏を目撃。うーん、やっぱり乱入するつもりなんだなあと思っているうちにプレゼンが再開されました。
 筑井真奈氏。「とらドラ!」のアニメを短いプレゼンの時間内で流すのは勿体ないような。齋藤ミツ氏。またも映像流れず。中断後だったため東氏より映像無しでやって下さいと。BLを宝塚や『リボンの騎士』、江戸時代にまでさかのぼり、そのルーツを探るという試みはいいと思いましたが、読者をかなり選ぶのでは。しかし映像抜でも堂々たるプレゼンぶりはすごかったです。坂上秋成氏。落ち着いた話し振りでわかりやすかった。反復の作品では『ビアンカ〜』よりは『ダンシング・ヴァニティ』を挙げて欲しかったところ。
 どのプレゼンも面白くて、一万部売れるかはともかく、みな実力ある人ばかりだなあと感じました。
 休憩の後の口頭諮問についてはニコニコ動画で生中継、さらに分割されて再アップされているようなので割愛します。筒井さんの質問はそれぞれの第3回関門提出の評論からの変化を指摘し、その理由をたずね、また欠落している部分に対しての今後の姿勢など真摯な問いばかりでした。ニコニコ動画のコメントは門下生の皆さんには見えず、弾幕による会場の雰囲気で発言やその場の空気が流れがちだったため、私はほとんど下を向いて皆さんの発言を聞いてました。生中継と言っても実際にPCで見るものとは、ずれがあり、さらにそれに対するコメントのずれもあるわけで、かなり辛かったのは確かです。また藤田氏の乱入はルール違反であることはもちろん、そのタイミングも含め適切ではなかったと感じました。たとえゼロアカ道場をここまで注目させる大きな原動力のひとつが藤田氏によるものだったにしても。
 口頭諮問後、さんざん考えた末に投票。ふたたび四人の審査員が壇上にあがられ、結果発表となりました。
 東氏が選んだのは村上氏。残る三名によるもう一名は廣田氏。そして会場投票による一位は廣田氏(有効93票中27票)だったため、東氏の選考次点であった坂上氏の計三名が第6回関門に進むこととなりました(結局、会場投票の上位三名も同じ)。峰尾氏には村上隆特別賞が贈られましたが、壇上でもかなり落胆されていた様子。
 筒井さんは「とにかく疲れた。人の話をこれだけ長時間聞くのはしんどい」と。それでも峰尾氏には温かい言葉をかけておられました。
 選ばれた三名の方々おめでとうございます。さらに厳しい関門が待ち受けていると思いますが、頑張ってほしいと心から思います。ほかの門下生の方々にも感謝を。東氏、村上氏、太田氏、筒井さん、スタッフの方々、頭がぐるぐるまわるような愉しいひとときをありがとうございました。太田氏が選考発表後、壇上から下りられてすぐに中継のカメラマンの方にお礼をおっしゃっていたのが気持ちよかったです。おかげで「<ファウスト>早く出して下さい」って言うの忘れてしまいましたよ。あー。