筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

筒井康隆氏についての…

 本年もお世話になりました。明日より帰神、しばらく書き込みが出来ません。

 今年は世田谷文学館で開催された筒井康隆展が素晴らしく、いつまでも心に残ります。「あなた、よく来たな」から始まる、トラフ建築設計事務所による迷宮のような展示。詳細な年譜、膨大な直筆原稿、壁一面の著作・翻訳書、大量の資料、SF蜜月時代、今敏監督による直筆「パプリカ」、「時をかける少女」たち、平石滋さんによる「作品マップ」、断筆解除の大幕、「かもめ」「スタア」「俗物図鑑」「ビーバップ・ハイヒール」の上映、楽屋、光子さんのコーナー、筒井書店…。愉しく幸せな空間でした。トークショー、対談、朗読、オークション、即売会…。貴重で得難い時間でした。多くの懐かしい人たちと会場で再会できたのも嬉しかった。筒井さんを好きな方々が寄せた数々のメッセージも「わたしの筒井康隆」で溢れていました。筒井さん、菊地成孔さん、中川翔子さん、松浦寿輝さん、世田谷文学館の皆さん、スタッフ・関係者・協力者の皆さん、参加された皆さんに感謝します。ありがとうございました。
 短篇が三作。「白笑疑」、「花の街」が今でも頭から離れません。「ダークナイト・ミッドナイト」、先日の「粋な夜電波」冒頭での朗読、素敵でした。「蒙霧升降」、民主主義について考えさせられる作品でした。蓮実重彦さんや瀬川昌久さんとの対談も忘れられません。
 『誰にもわかるハイデガー』、常に「死」を意識するようになりました。『筒井康隆、自作を語る』、日下三蔵氏の丁寧な仕事が有り難かったです。収録作品名入りの著作リストも素晴らしい。『不良老人の文学論』、読み応えたっぷりの一冊でした。新潮社のかたにお声をかけていただき、「波」に「永遠の不良のままで」を書かせていただきました。ありがとうございました。
 筒井康隆展開幕とともに刊行された『文藝別冊 総特集 筒井康隆』『筒井康隆展図録』の二冊。執筆陣・構成・内容…、素晴らしかったです。
 文庫は『読書の極意と掟』『夢の検閲官・魚籃観音記』『わたしのグランパ』新装版に加え、書店グループ限定で角川文庫のオリジナル作品が続々と復刊。嬉しかったです。

 それでは恒例「筒井康隆氏についての…」2018を振り返ってみます。

こんな優れた作家の存在を…/アンドリュー・ドライバー氏死去/DVD『文学賞殺人事件 大いなる助走』再発売/「白笑疑」/「花の街」/「ダークナイト・ ミッドナイト」/「創る人52人の「激動2017」日記リレー」筒井康隆」/「筒井康隆、自作を語る『虚人たち』『虚航船団』の時代」/『もうすぐ絶滅するという煙草について』/ 「ギャグを求めて紫綬褒章小松左京×筒井康隆ドーミエ『四人の人』/「江戸川乱歩電子全集完結記念 特別インタビュー」小学館江戸川乱歩電子全集 20 随筆・評論 第5集」/『怪物が街にやってくる』今野敏/「老後のお聖さん」/『夢の検閲官・魚籃観音記』/「12人の浮かれる男」小説版/「時をかけるエーコ」/『文学部唯野教授・最終講義 誰にもわかるハイデガー』/解説「『誰にもわかるハイデガー』への、わかる人にだけわかる補遺」大澤真幸/「筒井康隆が説く「存在と時間」」/「筒井康隆さん 死を思い、生を見る」/「死への想像力 失われた時代に」/「筒井康隆、自作を語る『筒井康隆コレクション』完結記念」/角川文庫『霊長類 南へ』今井書店限定復刊/『プロジェクト:シャーロック』/「蒙霧升降」/「同時代の大江健三郎蓮實重彦×筒井康隆/『読書の極意と掟』/「愛や犬や恐怖をバネにして、」/太陽の塔/『筒井康隆、自作を語る』日下三蔵・編/角川文庫『アフリカの爆弾』ブックファースト限定復刊/筒井康隆展開幕!/ 「私の展覧会に寄せて」/『筒井康隆展 YASUTAKA TSUTSUI EXHIBITION』世田谷文学館/「危機と不安と不快さ」/「文学賞の狂詩曲」/『文藝別冊 総特集 筒井康隆 日本文学の大スタア』/『わたしのグランパ』新装版/いとうのいぢ/「私が出会ったグランパは温かくて怖くて強くて優しい人でした。」石原さとみ/「人生のすべて、筒井康隆山下洋輔/「日本SF作家クラブ会報」/「SFの可能性 対談・一九八〇年代に向けて」筒井康隆×星新一/「文学部唯野教授の虚構理論」/「読書と人生」 筒井康隆×大江健三郎×丸谷才一/「新編 筒井康隆の歩き方」日下三蔵筒井康隆年譜 平石滋・編/トラフ建築設計事務所/「筒井康隆作品マップ」平石滋/光子さん/「筒井康隆氏への小さな花束」菅野昭正/「大竹まことゴールデンラジオ!」/ハロウィンの件/角川文庫『ホンキイ・トンク』明屋書店グループ限定復刊/「筒井書店」即売会/喫茶室どんぐり/『筒井康隆トーク&オークションイベント「わたしの筒井康隆」1』筒井康隆×菊地成孔/『菊地成孔の粋な夜電波』/「筒井康隆山下洋輔文化圏」/アントニオ・カルロス・ジョビン/「奔馬菌」朗読/味噌汁をこぼした/脱臼するオークション/「断筆人形」/絵画「原宿駅付近」/「熱量かリアリティか」/「シネマヴェーラ渋谷 ミュージカル映画特集III トークショー瀬川昌久 筒井康隆 高崎俊夫/「突貫勘太」/エディ・カンター/『シャイニング』なんて新しい映画も観ていてすごい/『不良老人の文学論』/「永遠の不良のままで」/『SFショートストーリー傑作コレクション』/山下洋輔さん入院/「館長の作家対談」<世田谷文学館ニュース>/『筒井康隆トーク&オークションイベント「わたしの筒井康隆」2 筒井康隆×中川翔子中川勝彦さん/映画『七瀬ふたたび プロローグ』/食事・睡眠・筒井康隆/「家族八景」での「死」の描写/「死」は怖いもの/黄身だけの卵かけご飯/縮緬雑魚の大根おろし添え/「馬」朗読/『ダンシング・ヴァニティ』フィギュア/「菊地成孔 粋な夜電波」出演/「不良老人の美学」/筒井康隆展 記念対談「筒井康隆を語る」筒井康隆×松浦寿輝/「あの壁面の本はどうやってくっつけたのか」/どちらも演技/「読者罵倒」/角川文庫『ウィークエンド・シャッフル』紀伊国屋書店限定復刊/谷川流涼宮ハルヒの憂鬱』解説/「次の長篇」

 筒井康隆展、あっという間でしたが、松浦寿輝さんとの対談の最後で出た「次の長篇」をはじめ、未来につながるものも多く生まれました。資料を整理しながら「次」に思いを馳せます。

 皆様、よいお年をお迎えください。