「真鍋博 2020」
- 2020.10.1~11.29 愛媛美術館
筒井さんのトークショーにあわせて、愛媛美術館で開催中の展覧会「真鍋博 2020」行ってきました。
展示は2階。入口横には物販。星新一さん「虚像の姫」・筒井康隆さんの「邪悪の視線」イラストレーションが両面にプリントされたトートバッグほかが販売中。
図録『真鍋博の世界』は全国書店でも販売中です。
受付では拡大鏡も貸し出していただけるそうでしたが、心がはやってしまって忘れました。
入口には東京国際見本市をはじめ大型のポスターの数々。サイクルショーのポスターには『自転車讃歌』を思い出したり。
第一章「油絵との出会い」は多摩美術大学在学中の作品からの大作がずらり。『セイブツ(人間)』『鉛筆の鳥』など長時間足を止めて近づいたり少し離れて見たり。小・中学時代の通知表から個展のチラシ、講談社さしえ賞を祝う会案内状(発起人に山川方夫・都筑道夫・中原弓彦・福島正実各氏……)等々、真鍋さんを物語る資料もいっぱい。
書肆ユリイカの『ロートレアモン全集』を見て、装幀を依頼したという山川方夫の『日々の死』。タイトルは背表紙のみという、大胆さがもうたまりません。
第二章「線の画家、誕生!」では線にこだわった作品の数々が現れます。漫画集『寝台と十字架』、ロシュワルト「第七地下壕」挿絵、ロバート・ブロック特集に寄せられたイラスト。「超発明」や「混虫記」などの著作。「怪獣17P」「グレー・レンズマン」「電獣ヴァヴェリ」「ボロゴーヴはミムジィ」などSFの名作を、白と黒で彩った挿絵が素晴らしかったです。『愛媛の昔語り』は朗読が流れる囲まれた空間で。そして日々の行動を2ミリ四方ほどの字で分単位に詳細に記録した日記。一部、手紙の下書きが記されたものがあって、星新一さんの追悼番組「驚き桃の木20世紀」を見た後の、星さんの奥様・星香代子さん宛の暑中見舞には、星さんがあれほど苦労してショートショートを書いているのに、それを表面に出すことがなかった、そのことをいつか伝えたいという一節があって、小さな字をずっと見ていたこともあって、うるうるしてしまい、ここからあの『鳥の眼』コーナーに突入。私自身出身の神戸や今自分がいる松山、そして『鳥の眼』の原点?「ギンザ1964」を見ながら、もうこの仕事は誰にも到達できない、すごい……と圧倒されたままでした。そして都筑道夫さんとの仕事、『クレオパトラの眼』『いじわるな花束』『猫の舌に釘をうて』などを橋渡しとして展覧会は第三部「色彩の魔術師」へ(まさかの続く)。