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『48億の妄想』

『48億の妄想』(No.2)

  • 長篇1篇,エッセイ1篇
  • 初版印刷/1965.12.25 初版発行/1965.12.31
  • 早川書房 日本SFシリーズ 8
  • カバー 帯(紫) 小B6版 並製本 装幀/真鍋博
  • 定価 340円
  • 帯惹句 極致に達したマスコミ世界を描いた ナンセンスSFの痛烈な諷刺! テレビがすべての価値を決めた!

著作紹介2冊目は、初の書き下ろし長篇『48億の妄想』です。早川書房の叢書<日本SFシリーズ>の第8巻。巻末のシリーズ広告では“架空事件テーマ”として紹介されています。「プロローグ」「第1部 報道」「第2部 海戦」「エピローグ」の4章からなる本篇と「あとがき」を収録。装幀は『東海道戦争』に続いて真鍋博氏でした。奥付には経歴、表4には近影と内容紹介があります。新聞広告は年末に近影入りのものが<東京新聞>に、年明けにシリーズ既刊分を含めたものが<毎日新聞>に掲載されています。帯は写真でもわかるようにかなり細いので、古書店でも破れていることがしばしば、色は紫一色ですが、版によって微妙に色合いが違います。

異装版というほどのことはありませんが、『48億の妄想』をはじめ<日本SFシリーズ>の何点かには、古書店で奥付を見ただけでは判断のつかない<ニセ初版>と呼ばれる版が存在します。実際の初版と同様に印刷・発行が記されているだけで、何版かが記載されていないもので、『48億の妄想』では1966.7.15発行版がそれにあたります。古書店で「昭和41年初版」と書いていたら、気を付けましょう。
この版が再版ではなく、<ニセ初版>と呼ばれるわけは、「再版」と記されている版が別に発行(『48億の妄想』では1968.3.31発行)されているからですが、何か響きが良くないので、別の呼び方を考えたいところです。