筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

『かいじゅうゴミイ』

『かいじゅうゴミイ』(No.5)

  • 童話3篇,エッセイ1篇
  • 初版発行/1967.8.20
  • 盛光社 創作S・Fどうわ
  • 函 角版 え/馬場のぼる
  • 定価 420円
  • 巻末広告惹句 ごみの島から生まれたかいじゅうゴミイが、東京の町へ。まちがってちゅうしゃされた赤ちゃんがかいぶつベビラに。

筒井康隆著作コンプリートを目指すうえで誰もが乗り越えなければならない5つの壁(この間4つと書きましたが5つに訂正します。申し訳ありません)、その中でも最も困難で高い壁がこの『かいじゅうゴミイ』だと思います。私が古書店目録で確認できた函付完本はここ十年で2回のみ。ひとつは5桁の後半の値段がつけられており、もうひとつは安かったため北海道から沖縄まで希望者が殺到したと聞きます。「函なし、見返しに落書きあり」のものは今年初めに神保町の児童書専門店目録に出ましたが、それでも競争率はとても高かったそうです。古書価では『三丁目が戦争です』のほうが近年高いとも思いますが、稀少率(というのか)はNo.1だと信じて止みません。まえがき「はじめに」と「かいじゅうゴミイの しゅうげき」「うちゅうを どんどん どこまでも」に書き下ろしの「赤ちゃんかいぶつ ベビラ!」を加えた童話3篇を収録。『11ぴきのねこ』シリーズ(こぐま社)に代表される、馬場のぼるさん(四年前の2001年4月にお亡くなりになりました)の温かくユーモアあふれる絵も素晴らしいです。
同年『時をかける少女』などの<ジュニアSF>シリーズを刊行した盛光社より発刊された<創作S・Fどうわ>シリーズの6冊目として刊行。未見ですが、同シリーズ第1期(5冊)巻末には『かいぶつ ばんざい』として刊行予告されていたとのことです。