筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

筒井康隆筒井康隆を読む」

  • 2010.2.19(金)〜2010.2.21(日) 成城ホール
  • 出演/筒井康隆 山下洋輔 上山克彦 白石冬美(声) 構成・演出/高平哲郎 美術/朝倉摂
  • 照明/砂川瑞穂 舞台監督/山本修平 音響/新居章夫 映像/福井正紀 イラストレーション/山藤章二 宣伝美術/西村竜也 宣伝・制作/菊地廣 舞台写真/伊勢和人 協力/中村満 平石滋 小池敏治 制作統括/野際恒寿 スペシャルサンクス 難波有希 平賀洋 川井麻貴 主催/成城ホール アクティオ(株)
  • 第一部 『陰悩録』上山克彦 白石冬美筒井康隆(声)/ピアノ演奏「枯葉」(作品提供 HASHI [橋村泰臣] イメージ「パリ・未来の原風景 by HASHI」より)「Things Ain't What They Used To Be」山下洋輔/『昔はよかったなあ』筒井康隆山下洋輔
  • 第二部 口上 上山克彦/ピアノ演奏『組曲 筒井康隆全作品』山下洋輔/『関節話法』筒井康隆/『発明後のパターン 60年代篇』『発明後のパターン 現代篇』筒井康隆山下洋輔

2/19(金)初日。
成城ホールに着いたのは午後四時半。中村満さんに挨拶させていただいて、物販ブースへ。中小の段ボールに入った筒井さんの著作を並べていく。
今回、平石滋さんともども販売を担当させてもらったのは、筒井さんの著作・翻訳書で、全て署名・落款入。平石さんによる命名「筒井大売堂書店」での限定数・売切御免販売となる。
事前に販売書籍のタイトル・冊数を調べさせていただいていた。翻訳書は点数が多く、また日本円での価格表示もないので、いくらで販売するかをあらかじめ決めておく必要があったからだが、ドル・ユーロ・ウォンなどのレート換算はまだいいとしても、チェコ版『ヘル』などは199CZK(コルナ)。ロシア版『ポルノ惑星のサルモネラ人間』は90rph(グリヴナ)。1コルナって何円? グリヴナってウクライナの通貨だがレートは?…という感じで悩みつつの価格設定になった。
売上管理には日本出版界の秘密兵器「売上スリップ」を作成、どんどん挟み込んでいった。販売の際にこれを抜いてあとで計算すればその日の売上がわかる、順調順調と思っていたとき、手が止まった。調べたときには「仏版コミック『時をかける少女』1・2セット」が5セットと思っていたのだが、実際は仏語版が3セット、イタリア語版が2セットだった。こういう場合は現地価格を日本価格に換算、無地の短冊で作り直しての作業になる。ある程度並び終え、手作りのPOPを取り付けると、ようやく周囲を見渡す余裕が出てきた。
成城ホールへ入る物販スペースは、四色のイラストレーションで囲まれている。出版社、テレビ局、レギュラー番組の出演者、筒井康隆症候群などからの花もいっぱい。
一番目をひくのはもちろん中村満さん渾身の限定公式記念グッズの数々。
山藤章二さんのイラストレーション、筒井さんの署名をデザインした手ぬぐい二種。同じくイラストをあしらったライター。署名落款をそのままかたちにしたストラップ。特にストラップはとてもかっこよくて惚れ惚れしながら購入。嬉しい。ライターもひとつひとつ火が点くか中村さんが確認してくださった。優しい。嬉しい。
オリジナルプログラムは本篇に平石さん監修の別冊『筒井康隆作品年鑑1965-2010』が付く豪華版。これも素晴らしい。
プログラムブック本篇、朝倉摂氏の手による肖像画の表紙をめくると「最後の朗読」と題された筒井さんのエッセイ。山下さんや高平さんの言葉が続く。「筒井康隆の初体験と最近体験の記憶を述べよ。今述べよ」という山下さんの言葉に声を出して応えそうになる。
別冊の「筒井康隆作品年鑑』はすさまじい。平石さんの蔵書の書影が388作品400以上並び、眺めているだけで圧倒される。これを今から揃えようとしたら、それは快楽に満ちた修羅の道に違いない。
物販コーナーはロビー手前から三省堂書店ブース。ここでは最新刊『アホの壁』を販売。その隣に「筒井大売堂書店」。ディスクユニオンブースで山下さんのCD・DVD、筒井さん関連のCDが、ジャムライスブースで山下さんの著作販売が行われることになる。それぞれの場所にはそれぞれのポップと三省堂書店ブースには『アホの壁』色紙が!
あっという間に六時となり、物販が始まる(ホール開場は六時半)。「筒井大売堂書店」では翻訳書のほかに『ヘル』『銀齢の果て』『不良少年の映画史 文春文庫版』も販売。こちらは冊数が多めのため、実際の署名落款がわかるよう展示しての販売となった。ブースを訪れる人がみな本を丁寧に扱ってくれるのが有り難い。入手し辛いチェコ版やロシア語版より台湾版・英語版が早めに売れて行くのは不思議だった。財布の残りを気にしながら買って下さる方もいて嬉しい。筒井さんを好きな人が集う空間で筒井さんの本を販売出来るってなんと幸せなことだろう。あっという間に開演間近となり、席につくと「陰悩録」が始まった(続く)。