筒井康隆氏についての…

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朗読会レポート その2

「陰悩録」
 暗闇の中、スポットが当たると、白ガウン姿の上山さん。「陰悩録」が幕を開ける。
後ろから浴槽が上山さんの真後ろにするすると登場。ゆっくりと入りながらガウンを脱ぐ上山さん。そしてお湯の栓を抜く。実に気持ちよさそうな顔が、突如としてゆがむ。
笑いに身体をよじりながら、堀晃さんが以前おっしゃっていたことを思い出していた。
「極限の危機状態を逃れようと、人間が想像力を駆使し、叡智と肉体の限界に挑む」。「陰悩録」の本質は本格SFのそれである。
確かにそうだよなあと思いながらも笑いは止まらない。客席は暗いから女性も何処でも笑っている。白石冬美さんと筒井さんは声での出演。白石さんの科白のときに投影される大きな唇。声とシンクロして艶っぽい。
上山さんは大熱演。これ、ニューヨークでも、うけただろうなあ。人類共通のわかりやすさだもんなあ。大拍手。哀しくて可笑しい、最高のひとときだった。
 続いて山下さんが拍手に迎えられてご登場。橋本泰臣氏の「HASHIGRAPHY」をバックに「枯葉」を演奏。今しずかに流れて行く時を少し遠くから見つめるようなそんなひとときでした。「Rhapsody In Blue」も飛び出した「Things Ain't What They Used To Be(昔はよかったね)」をプレリュードに第一部最後を飾る「昔はよかったなあ」が始まります(続く)。