筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

筒井康隆筒井康隆を読む Dramatic Reading & Dramatic Meeting」

ということで、ふたたび行ってきました北沢タウンホール。開場前の物販コーナー、販売されている書籍は全て筒井さんの署名・落款入り。『ダンシング・ヴァニティ』『敵』『わたしのグランパ』などとともに楽日の今日も翻訳書が並んでいました(韓国語版『時をかける少女』が初版かつ帯付だったので、思わず買ってしまいました)。
会場に入ると初日にはなかった追加席とカメラが三台。上手に畳と卓袱台、下手にはピアノ。静かに「ジャズ大名」が流れるなか、一旦下がった緞帳があがると着流しの筒井さん。全日満員の客席にお礼を述べられたのち、この朗読会実現に至る経緯を話されました。
この企画がスタートしたのは昨年五月頃。俳優の上山克彦氏に北沢タウンホール館長の野際氏が話を持ちかけ、『スタア』以来公私ともに懇意にされている上山氏から筒井さんに話が行ったのがきっかけ。続いて上山氏が『ザ・ウチアゲ』や『断筆祭』の高平氏に演出を依頼、さらにはピアノに山下さん、ビレッジセンターの中村社長も協力、舞台装置も朝倉摂氏が手がけることになり実現したとのこと。筒井さんは「これが最後の舞台になるかも」と述べられ、「それでは読ませていただきます」と、第一部「おもての行列なんじゃいな」が始まりました。
一升瓶から焼酎を注いで呑みながらの、朗読と言うよりも一人芝居。後ろの障子に次から次へとさまざまな行列が浮かんでは消えるなか、筒井さんのよく通る生声が会場内に響きます。私は子どもの頃、虫が大好きだったものですから、蟻の行列のところなどあの蟻酸のにおいが浮かんできてたまりませんでした。
永遠に続くかと思われた軍靴の響きが遠ざかっていき、山下さんがご登場。最新アルバムのタイトル曲「TRIPLE CATS」を情感たっぷりに奏でたのち「Things Ain't What They Used to be(昔はよかったね)」。スクリーンに映し出される古き良き時代のモノクロ写真に時折眼をやる山下さん。学生時代プレイヤーで聴いた、亡き父の持っていたデューク・エリントンのレコードを思い出しました。
満場の拍手の中、筒井さんが今度はスーツでご登場。中央の椅子に腰をかけると、上山さん演じるウェイターが現れ、珈琲を筒井さんに。ここでは初日にはなかった、「ありがとう」「ごゆっくり」という会話があって嬉しかったです。
山下さんの演奏と筒井さんの朗読という、贅沢すぎる「昔はよかったなあ」。続きは明日また書きます!