筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

「『筒井康隆入門』刊行記念 極私的ツツイ長短編ベスト対決!」

 そぼ降る雨の中、行ってきました三鷹school。駅南口から歩いて十分弱、会場前で偶然アホウドリさんと会い、一緒にエレベーターで5階へ。40席ほどの会場、いつの間にか佐々木さんご登場。大森さんもほどなく到着。19時少し過ぎ、佐々木さんが大森さんを紹介され、イベントが開始。走り書きのメモでも10頁以上あり、記憶もどんどん薄れていきますが、簡単にレポートします。

  • このイベントについて

 佐々木さんより『筒井康隆入門』刊行記念として、この本のことを語っただけでは面白くないので、大森さんの力を借りて、それぞれの長篇ベスト5と短篇ベスト10を選び発表することにした。お互い、何を選んだのか現時点で知りませんと、このイベントの趣旨が説明されました。
 それを受けて大森さんが、筒井さんについては「本の雑誌」で昨年「筒井康隆の10冊」というのを選んだが、それは小説以外も含めた著作のベスト。筒井さんの作品でベストを選ぶのは高校時代、同人誌で選んだ筒井康隆ベスト(40年前)以来と話されました(因に40年前のベストには「幻想の未来」「やぶれかぶれのオロ氏」「火星のツァラトゥストラ」「最高級有機質肥料」「ポルノ惑星のサルモネラ人間」「ヒストレスヴィラからの脱出」等だったとのこと)。
 大森さんが筒井さんの著作で最初に読んだのは『にぎやかな未来』。星さん、小松さん、と読んで筒井さん…と中学時代から読んできた。高知の実家にはその頃のハードカバーが今でも本棚に並んでいる。筒井さんには多くの影響を受けたが、一連の日記(『腹立半分日記』)は思えば自分のWeb日記に、アンソロジストとしての側面、特に『日本SFベスト集成』は現在編んでいる『年刊日本SF傑作選』につながっていると語られました。

 80年代あたりまで、中学生が星、小松、筒井と読んで行くというのが定番コースだった。しかし90年代に入って、文庫の品切が増えた(特に小松左京作品)。その後、筒井さんについては徳間文庫、新潮、角川などで再編短篇集が出るが、一部を除いてオリジナル短篇集が古書店でしか入手しづらくなっている。
 『筒井康隆入門』は最初『筒井康隆全集』(編年体)をもとに書いていたが、それ以降の作品のこともあり、オリジナル作品集・単行本の刊行順に変更した。そうすることで読んでいた当時のことを思い出すことも出来た。
 再読も含め、6月下旬から1ヶ月半ほどで書き上げた。筒井さんの誕生日9月24日にプレゼントとして出版したかったので、その時点での最新作「漸然山脈」まで入れて、完成はギリギリだった。
 最近ではオリジナル作品集の復刊や電子書籍、未収録作品を収めた『筒井康隆コレクション』もあるが、トータルに読まれるべきで、第二期全集を期待したい。
 ということで、お二人の長篇ベスト5に入ります(記憶薄れる中、続く?)。